一部のオタク界隈でフラットに使われる『クソデカ感情』という単語がある。ほうぼうへの愛、執着、憎しみなど、無関係な人間には何が良いのか分からない、ただ面倒くさいと取られるような大きな感情をまとめて称している。(と思っている)
まぁオタク語りにおける流行語なんて、手っ取り早く熱を言語化し共有できるマーカーとしては重宝されるが、多用しすぎるとその瞬間の貴重な情報が「クソデカ感情」という共通のものに上書きされてしまい、後から見返してもそのクソデカ感情を掘り返すことが困難になりがちなため、注意が必要だ。
私はオタクなので、自分の愛する何かが日々の原動力だ。そのせいか、他人が何かを好きでいるところを見るのが好きになった。
さて、薄々感づかれた方もいると思うが、「コイツまたBUMP OF CHICKENのことを…」と思われるかもしれないけど、BUMP OF CHICKENについて書く前に、RADWIMPSについて書きます。
RADWIMPSの『独白』という曲がとても良い曲だなと最近思う。一曲フルで7分弱、この時間で野田洋次郎がこれまでのバンドの道のりやメンバー3人へ向けての思いの丈をつらつら垂れ流し続ける異質な曲である。
この曲はシングル『シュプレヒコール』のカップリング曲で、当時A面のシュプレヒコールがリリース前にニコニコ動画で三日間だけリリックビデオが限定公開されるキャンペーンをやっていた。そのビデオがとても記憶に残っていて、リリース後にシングルCDを買った。
シュプレヒコールの延長で、カップリングの独白を初めて聞いたとき、まぁなんとも気持ち悪い曲だなと思った。どうにも表現者としての自分に酔っているとしか思えなくて、メンヘラぽいなとあまり聞き込みはしなかった。
けれど今なんの気無しにこの曲を聴いたら、当時の野田洋次郎の、まぁなんとも痛々しいほどの熱量がとてつもなく身に沁みてしまう。今の私とおよそ同い年の人間が、ここまで煮詰めた愛を抱くことも、その愛を抱かれる側も、心底羨ましいと思ってしまった。この曲に込められた愛は、つまり俗に言う「クソデカ感情」だと思う。
好きなものを好きでいるためには、愛が原動力だ。愛の提供と享受で、たくさんの想いやお金が動く。
私はしばしば野田洋次郎を陽キャと位置づけてツイートしたりしているが、根明の彼だからこそ、身内に対する莫大すぎる愛が彼の芯で、本心そのものなのかもなぁと感じた。
RADWIMPSのライブは個人的にとても楽しい。「うれしい!大好き!」を体現するように彼らが飛び跳ねながら音楽を鳴らす様子が本当に見ていて幸せになる。フロントマン野田洋次郎は、たとえドームのキャパいっぱいの愛を受けても、それをいとも簡単にまるっと還元し、垂らし込み、平等に笑いかけてくれる。陽キャ怖い。
以前ツイートしたと思うが、野田洋次郎は「クラス対抗大縄跳びで、他のクラスが次々に記録を更新しだして焦ってきたとき、「大丈夫大丈夫!俺たちならいけるって!もう一回いこ!」と笑顔で叫んで縄を回すような人」なのだ。クラスのみんなは洋次郎のことが好きで、クラス替えのとき「お前のクラス洋次郎おるやん、いーなー」と言われるタイプの人だ。全て個人の見解です。
と、私の中でそんなイメージの彼が書いた、彼だからこそのあの「独白」が20代後半の身に染み染み突き刺さって、気を抜くと泣いてしまいそうになる。
バンドマンのクソデカ感情が好きな人、聴いてみてください。
で、BUMPの話をします。長くなるので読まなくて良いです。
新曲の『Flare』がとても良い曲だった。こんな良曲も、ベースが活動自粛の状況下でなければ生まれなかったかもしれないと思うと複雑だ。
とりあえず今はBUMP OF CHICKENを追い込んだ、声のデカい少数の無関係な人のことがただただ憎いので、特級呪霊になりたくてしょうがない。どうも、私が藤原基央の里香ちゃんです。(元ネタは呪術廻戦を読んでね)
2月27日のSONGSにて、BUMP OF CHICKEN結成25周年の特集が組まれるらしいが、正直つらいので見たくない。なんらかの圧力で放送中止になって欲しい。
25年4人で続けてきたバンドの記念放送が3人でだなんて誰も望まないだろうし、こんな形なら無理に出演して欲しくなかった。まぁ、3人にも思う事があっての出演だとは思うけど、そんな処刑場を見せつけられる側の気持ちはどうすればいいの?私が考えすぎなの?みんなもっとフラットに考えられるの?
いや、藤原基央というかBUMP OF CHICKENに対しては信仰心に近い感情を抱いていると自覚しているので、それこそ彼らのファンの中では私のほうこそ、声のデカい少数の無関係な人である可能性もある。
不倫騒動が話題になるたびに、活動自粛で反省される罪ってなんだと思うことがある。ほうぼうに迷惑がかかったり、プロモーションに悪影響だったり、思ったように活動できず収入が減ったり、そういう縛りによって自らの行為を悔いるほかに、「反省してますよ」というパフォーマンスを、有名人は世間へ公表しないといけない。
この大衆の像は別に報道各社が作り上げたわけではなく、なんとなくの倫理観で出来上がった平均のイメージであり、その平均は正直、誰がどう反省しようが不倫のレッテルを剥がしてくれないのだ。
「さっさと謝って帰って来ればいいのに」と言う人がいたとして、「でもあんまり早すぎると反省してないってまた叩かれるよね」と言う反論があったとする。
例え10年自粛したとしても叩く奴は叩く、このクソレールから抜け出すには反省→活動再開の姿を印象付けるのが一番だと思うんだけど、もしかして芸能事務所ってそういう方面専属のプランナーとかいるのかな?
もし私が経済系のゼミの学生だったら、『芸能人が不祥事により活動自粛することで生じる不利益』と『活動自粛による世間の風当たりの増減』の関係性でどのくらいの不祥事ならどのタイミングでの復帰が最適か卒論出すの楽しそうやな、とか今思った。なんの話やねん。
まぁ、まとめると同担は拒否ってことですかね。
新曲の『Flare』が本当に、とても良いので、これを25周年記念ライブのファイナルの東京ドームで聴きたかったけど、それは叶わないので例のごとく保管するならこうです。
前半が終わってアコースティック用の離れ島に移動した藤原「みんな見える?見える?そしたら…一言、ヒロから」
マイクを変わるヒロ「ギター増川弘明です!(観客の拍手が響く)おー、すごいね。いっぱいだね。生放送を見てくれてるみんなも…?見えてる?ありがとう。えー、僕らもこうして25周年記念ライブということで、今年一年ツアーさせてもらって、それで行く先々でね、ファンのみんなが集まってくれて、喜んでくれて、本当に続けてこられて良かったと思います。ほんとにありがとう。」
笑うチャマ「生放送て(笑)。生配信だから」
ヒロ「あぁ配信か、そんな変わんないよ(笑)。生配信ね」
いたって真面目なヒロに笑う藤原「…なんか今日は噛まないじゃん」
ヒロ「いやーまぁ(笑)ファイナルだから。めちゃくちゃ喋ったからもう噛まない。さすがにもう噛まないよ」
チャマ「ヒロは名古屋ドームでドームツアーを噛んでたからね。ドームちゅあーって言ったからねこいつ。ひどくない?」
ヒロ「ははは!(笑)ドームツアー!言えた〜!いえ〜い!ありがとうございます!」
藤原「ヒデちゃん何か喋っとく?」
マイクが遠いヒデちゃん「ありがとーー!」
藤原「ということでね、俺ら今年こうして25周年ツアーをやらせてもらってるんですけど、それも今日で最後になりました。(お客さんの拍手)あぁ…ども、ありがとうございます。それでね、今日は新曲を用意してきました。今日でツアー最終日なんだけど、初めてみんなの前で歌います。」
ギターを触りながらお客さんの歓声が収まるのをしばらく待っていた藤原「ツアー最初の頃のお客さんとかね、聴かせられないの申し訳なかったんだけど、あの……間に合いませんでした。(ドッと笑いが起きる)色々やってるうちに、ライブで演奏するにあたって、メンバー3人とああじゃない、こうじゃないって言い合ってたらツアー初日迎えちゃって。で、初日にできなかったのを2日目でやるのもどうかって話になって、で、結局今日の、配信まで待とうって話になって。そんな感じです。でも作ってからツアーの中で完成した曲でもあるので、本当に俺らの、25周年の想いが詰まった曲になりました」
チャマ「このあとね、日が変わって明日の0時にもう配信あるので、良かったらお家でも聴いてみてください〜」
藤原「ね、はい。俺たちみんなで歩んでこれた感謝を込めて歌います。聴いてください。『Flare』」
P.S.「マイブロークンマリコ」という漫画がとてもクソデカ感情で良かったので読んでみてください。