長文語りブログ

気持ちが昂ったときだけ更新するブログです。

大好きな男にエモたぶらかされた話 BUMP OF CHICKEN -aurora ark TOUR-の感想

~サブタイトル:同じ墓に入れたら(アンサーソング)~

 

11月3日(日)に、東京ドーム2DAYSで開催されたBUMP OF CHICKEN ドームツアー aurora arkに行ってきました。

 

今回のツアーはありがたいことに7月のメットライフドーム、9月の京セラドーム、そして11月の東京ドームと、初めて同じツアーに3回も通うことができまして、例えるなら藤原基央がキッッッッラキラに降りかかり私を離してくれない究極ワンナイトを2ヶ月のスパンで過ごすという超過密スケジュールだったわけで、実質仕事が忙しい遠距離の恋人と会ってると言っても全く過言ではなかった。そして最後の東京ドームでエモたぶらかされたんだ。話を聞いてくれ。素朴なバンドマンを装っておきながらあいつはとんでもねぇ男なんだ。

「大勢の中の1人だと思ってんじゃねぇぞ!俺は、お前に会いに来たんだよ!」

えっ詳細を欠くけど結婚やん?

 

で、それはまぁ置いといて、特に今回のツアー中の藤原基央は、なにかあったんだなと思うほど、もみくちゃにしたいくらい最高に幼くて自己肯定にまみれた40歳だったなぁ〜と感じた。

 

以前のBUMP OF CHICKENのライブとは、「ひたすらにとてもかっこよくて楽しそうで、お客さんのことをたまに気遣う」という、そのスタンスが彼らの完成された「BUMP OF CHICKENのライブ」だった。かっこよさ:楽しさ=7:3って感じかな。私たちは楽しませてもらって、気遣ってもらえる、"お客さん"だった。

でも今回のツアーのライブでは少し違った。

まず彼らがやたらと喋る。さだまさしのコンサートに来たのかと思うほどにMCが長い。7年前に私が初めて行ったバンプのツアー、『GOLD GLIDER TOUR』では本当に一言二言、必要最低限しかないMCの印象だった。それから7年後の今回、40歳前後のおじさんたちはただひたすらに戯れ、お客さんは40歳前後のおじさんたちが男子中学生のごとく戯れる姿を飽きるでもなくただひたすらニコニコ見つめて喜んでいた。端的にやばい空間である。それでも曲を演奏するとめちゃくちゃ良くてかっこよくて、月虹なんてデビュー当時のヒロくん絶対弾けないでしょ???ってくらいバンドとしてのクオリティ磨きも20年分あるので、月並みな言葉だと「最高にエモい」んだが、途端に気を抜くと家でラジオ聞いてんのかなってくらいゆるいMCが続いたりするので、かっこよさ:楽しさ=10:10って感じで一気に来る情報で常に脳がバグる。さながら遊園地のアトラクションに乗ってるようだった。とても楽しかった。

 

そしてそんなライブのふとした瞬間、藤原基央は本当に気まぐれで、たった今こみ上げてきたんだとばかりに、ぽつりぽつりと過去の思い出を話すのだ。その話たちはあまりにも青く若く、血が通った尊いものばかりだった。

それで彼がオーディエンスを煽り、支え、たらしこむ言葉が本当にズルくて、「うっっっっわ………エッッモたぶらかされてる」みたいな言葉ばかりだった。先に述べた「お前に会いに来た」発言もそうだけど「えっもうそれ実質プロポーズじゃん?みたいな語録ばかりだったのでとりあえず下を見てくれ。ツイッターから書き集めたものを添付するから見てくれ。(私はいかんせん記憶がない)

 

「お前が俺らの音楽を見つけてくれたように、俺もお前を見つけに来た。お前に会いに来た。ずっと探してた。」

「俺らの音楽はいつでもお前のそばにいるよ。気づいてなくてもずっとそばにいるよ。」

「俺もアイラブユーだぜ。」

 

いや今私の婚期終了したけど?幸せなまま今すぐ死にたいってなるくらい言葉の一つ一つがキャパオーバーのバーゲンセールで、襲い来る幸せが怖すぎて私は東京ドームの後に体調を崩しました。

 

何というか、前のブログでも触れたけど、藤原基央は今確固たる「自信」や「自己肯定」に溢れていて、広いドームで数万人を前にして歌う彼は、まるで言葉で大衆を導く宗教家のようでさえあった。以前が自信に溢れてないわけではない。今の彼が強くなりすぎたのだと思う。薄暗い部屋ですぐ隣にいてくれたような藤原基央は、もはや今では自ら発光して他者を輝かせている。光のおすそ分けとでも言うのか。

(前のブログも読んでもらえたら嬉しい。藤原基央について話がしたいよ - 長文語り)

 

きっかけの一つに過ぎないかもしれないが、思い出されるのは、去年の3月、インフルエンザで延期になった、PATHFINDERツアー福岡のマリンメッセのことで、何度も何度も「ごめんね」「ありがとう」と繰り返す彼と、そのたびに起こる拍手だった。ただ謝り続ける彼はとてもしおらしく見えて、けれどそれと対照的にとても華やかで温かいツアーファイルだった。大好きで生涯忘れられない空間だ。見ていた側で言うのもアレなんだが、正直嬉しかったんだと思う。今までも藤原基央含めBUMP OF CHICKENの4人はファンに優しかった。でもそれは、何というか「4人の世界を見せてもらっている」感が強かったんだけど、なんとなくインフル振替公演や、今回のaurora arkツアーでは、やたらと4人が話しかけてくるから、まるで4人とファンでステージを完成させるというか、ただ行っただけの私もツアーに力を添えているかのような謎の達成感を与えてくれた。「バンプも優しいし、バンプを好きなお客さんも優しい」みたいな。なんなんだこの幸せ空間は。これを浴び続ければ老けないという確固たる自信がある。

 

私の信仰の仕方にも原因があるのかも知れないけど、どうしても憧れでたまらなく大好きなバンドだから、孤高のカリスマというか、下下のお手が触れちゃいけない崇高な存在だと思ってたし、そうあってほしいと思っちゃってたんだな。いやでも今回のエモたぶらかしは明らかに藤原基央の罪だからな。もっとくれそういうの。ちょっとずつくれ。

 

あとはやっぱりベイビーですか?オーケーわかった、俺はもう理解しているからもうそれ以上は言うな。

 

あと今回お隣になった関西弁のお姉さんの話なんだけど、お姉さんは2014年のツアー、『WILLPOLIS』から初参戦で、それまでバンプは「天体観測の人」って印象しかなくて全然聞いてなかったらしい。そしたらある日『ray』のMVを見て、「えっ?めちゃくちゃおもろいやん?」って衝撃を受けて、周りの人に「天体観測の人、今めっちゃすごいことなってんで!?」って宣伝して回ったらしい。とてもテンションが好きなお姉さんだった。ちなみにお姉さんの推しバンドはSUPER BEAVERで、20人くらいのライブ規模から推してたんだって。すごいね。

で、それから思うことは、確かにrayの溢れんばかりのキラキラ感は初めて聞いたときこそ異常(褒めてる)だったけど、今じゃライブのメインナンバーで一番の盛り上がり曲で、今のバンプってもはや「天体観測の人」じゃなくて「rayの人」なんじゃないかって思った。あんなにジャキジャキと若かった天体観測でさえ今の彼らが歌えばキラキラして新しい門出の曲にすら聴こえる。今のバンプ、ライブじゃもうTitle of mine絶対やらないでしょ。見える景色も届けたい気持ちも変わって歌えないでしょ。でもそういう、「アーティストの成長とともに、表現が進化していく瞬間」をリアルタイムで聴けるのすごすぎない?「rayからもうバンプ全然違って聞けなくなったわ〜」勢よ、それは確かに理解できる時期もあったがそれを超えた私は今こんなにも幸せだ。前世の私よ、徳積んでくれてありがとう。

それにしてもTitle of mineは至高の名曲なので是非ともずっと聴いてほしい。あ、Apple Musicのリンク貼っときますね。

あと、ライブで聴くと改めて解釈が違ってくる曲もいくつかあった。特に今回は「アリア」と「記念撮影」。どちらもいい歌なのでまずは聞いてほしい…。

今回のツアーのアルバム『aurora arc』にも収録されているこの2曲は割と新しい曲たちで、「アリア」は2016年、「記念撮影」は2017年。「アリア」はドラマ主題歌、「記念撮影」はカップヌードルのCMと、両方タイアップがあった楽曲だ。この2曲とも、何度も聞いたけどはっきり言ってなんの歌か分からない。一体何を歌ってるのか?何がテーマなのか?前のブログにも載せた、「ぼんやりとした君と僕の関係」「藤原基央、好きだよねこんな歌詞」が、まさしくと言えるくらい輪郭のない歌たちだと思ってた。

(これも前に書いたブログ。読んでもらえたr話がしたいよについて話がしたいよ - 長文語り)

11/3の東京ドームライブの「アリア」のイントロで、藤原基央は『ドラえもん のび太の宇宙少戦争リトルスターウォーズ』の主題歌のサビをメロディに乗せて添えた。「ああ僕はどうして大人になるんだろう。ああ僕はいつ頃大人になるんだろう。」

それがあまりにナチュラルなことで、一瞬バンプの別の曲の歌詞かと思ったくらい違和感がなく、アリアの歌が始まった。

つまり藤原基央にとってこの「アリア」は少年から大人になる歌だったのかと一気に繋がった。それもそうだ、主題歌を提供したドラマは高校生の吹奏楽部の話だった。ああこれは言うなれば、『藤原基央が描く合唱コンクールの曲』だったのか。大人でもなく子供でもない、高校3年間の絶妙で貴重な期間の人間関係の歌なんだと思った。そう思えば、この曲のぼんやりとした主題の見えない歌詞は、掴みどころのない思春期を歌ってると解釈できなくもない。なるほどな。だから合唱ではない『アリア(独唱)』なのか。一人で迷子になっている若者の歌なのだ。※個人の感想です。

 

もう一つ『記念撮影』。これはリリース当初から本当に大好きで、相変わらず何の歌か分からないんだけど、とても心地良くて、穏やかで、ずっとそばにいてくれたような、昔から知ってるような曲なのだ。まぁMCでも言ってたし実質ずっとそばにいてくれたもんな、結婚。

11/3に東京ドームで演奏されたとき、背景のスクリーンにその日まさに公開されたばかりのONE PIECEのコラボ動画が流れた。メットライフドームや京セラドームでは無かった演出だった。(えっ?無かったよね?記憶にない)

で、ライブでも何回か聞いた曲だったのに、この日の『記念撮影』は本当にはっきりと輪郭を持ったように聞こえた。『記念撮影』なんだよ。なんの記念かって、例えばライブ、例えば普段の日常、例えば卒業式。"ぼんやりとした" と感じてたのは、いつどんな記念日でもこの曲が当てはまるように、特定のワードを入れてないからだ。記念日は人によって違う。固定の四季なんてない。誰と一緒か分からない。「二人で見つめた景色」という歌詞も、その人が大切な人だということしか分からない。"僕の中のもう一人の僕" かもしれない。オーマイなんてやつだ藤原基央。謀ったな。なんて歌を生み出してくれたんだ。ともすれば、私の冠婚葬祭全てこの曲で事足りる。ドンピシャだ。狙ってか偶然か分からないけど、彼の表現力の持つ優しい恐ろしさに震えた。

以前のブログにも藤原基央の歌詞について書いた。「人が抱くモヤモヤ、ざわざわ、ドロドロとした、いろんな色の水に、彼の言葉がぽんと石を投げるとその水が澄んで底を映し出す。そんな、人によって異なるありのままを、彼の言葉は恐ろしく普遍的に紡ぐ。」と、まさにこういうことを彼は何度も成し遂げるのだ。

 

やべぇよ〜〜〜〜〜〜なにがやべぇってBUMP OF CHICKENが占める私の人生においての割合と私の語彙が底をついたことだよ。もう全て書いた。何も書けねぇ。思い出したらまたバレないように追加します。

次またいつ会えるかなぁ。早く会いたいな。ベイビーアイラブユーだぜ。